未来視達の出会いと別れ 〜黒点虎と申公豹〜 |
がばっ!
突如僕は起きた。
なぜか知らないけどすっごく長い時間寝ていた気がしたから。
「やっと起きたね。」
となりでは太上老君の立体映像がいつものように面倒くさそうに座ってる。
「太上老君!僕はどれくらい寝ていたんですか!?」
「かれこれ・・・1000年・・・くらいかな?」
「〓※ΨΦξ‡ι♪!?」
言葉にならなかった。1000年!?
気付かなかったな・・・今までだったら半日でもすごかったのに・・・
「どうしたの?何か驚いた事でもあったの?」
「何って、1000年ですよ?1000年も僕は寝ていたんですか!?本当に。」
「うん。」
・・・・なんだかなぁ・・・ι
まぁこの人は1000年なんて数字は特に気にならないんだろうな。きっと。
年月が「〜千年」の単位のひとだもんね。以前見せられた未来からして。
「私はまた寝るから。何かあったら起こしてね・・・じゃ。」
ぐーっ・・・何だか心配されてる気がしないι
本当にしてないのかもしれないけど。
「・・・よしっ!」
そしてこりずに僕はまたその辺を散歩しにいった・・・
今度は目標がある。
太上老君の庭で飼われているこの・・・
「クロちゃん!」
「・・・」
「クロちゃん」は寝ている。やっぱ飼い主に似るのかなぁ?
「クロちゃんってば!この前みたいに僕を乗せてよ!」
「・・・・・」
相手にしてくれない。耳は立っているから聞こえてはいるみたいだけど。
僕は少しムカッときた。
「話くらい聞いてくれたっていいじゃないか!おい!クロ!」
「うるさいなぁ。この前は太上老君の言いつけだったから乗せただけだよ。君みたいな半人前道士を乗せるなんてできないね。」
「・・・!」
完全に僕はキレた。僕が半人前?僕は半人前なんかじゃない。誰にも負けない、最強の道士:申公豹だ!!
「気に入らないな・・・」
「!?」
なぜだかわからないけど「クロちゃん」は僕を見ておじけずいた。
「・・・気が変わった。乗ってもいいよ。」
「本当かい!?」
「うん。でもちょっとだけだよ?ボクこれでも最強の霊獣なんだからね。」
うわぁぁぁ・・・!すごい!この霊獣が僕のものになったら・・・
最強の道士に最強の霊獣!無敵のコンビじゃないか!
「ねえクロちゃん!僕が最強の道士になったらコンビ組まない?」
「でもボクは太上老君の霊獣だし・・・。まぁ考慮には入れておいてあげるよ。」
ちょっとカチンときたけど一応乗せてくれたのでいいことにした。
クロちゃんは僕を乗せると宙に浮かんで爽快なスピードで進み出した。
「いやっほーう!」
「申公豹、それとボクのことクロちゃんって呼ぶの止めてくれる?一応『黒点虎』っていう名前があるからさ。」
肌に感じる風が気持ちいい。こんな気分は初めてだ!
「わかったよ!黒点虎!」