君となら行ける 〜お茶会〜 |
元始天尊は玉虚宮から玉鼎と楊ゼンを退散させた後、
あちこちを探しまわっていた。
「まったく・・・ちょっと前まで暴れておったと思えば
今度は二人とも消えおって・・・!何をしておるのじゃ!!」
スッ
柱の影に人影が!!(いや シャレじゃなくて・・・)
「誰じゃ!?太公望か!?」
「僕ですよ、元始天尊様。」
「何じゃ普賢か・・・すまんが今は構っておれん。
太公望と白鶴が何処かへ行ってしまったようでの。」
「ええっ!? 望ちゃんが!?」
もちろん、普賢は太公望と白鶴が人間界へ行った事は知っている。
でもばらさない為にわざと大げさに振舞った。
「それは大変だ。何とかしないと・・・。でも天尊様。」
「?」
「お腹空いてませんか?空腹だと物事を落ちついて考えられませんよ。
落ちついて考えたら、以外とすぐに見つけられたりってよくあるんですよ。
一旦止めて、お茶にでもしませんか?僕ゴマ団子作ってきたんですけど・・・」
「むぅ〜〜〜・・・」
「天尊様の好物でしょ?ゴマ団子。」
「・・・まぁおぬしの言う事も一理ある。ではそうするとしようかの・・・」
にやっ
うまくいったよ 望ちゃん。
普賢が元始天尊とお茶会を始めてから五時間後。
こちら人間界。白鶴と太公望である。
「師叔〜・・・・まだですか〜?
そろそろ殷の国の端ですよ〜?」
もう姫昌には会った後である。
「むぅ・・・これが・・・今の人間界・・・」
「師叔?」
「人間界は乱れに乱れておる。なのにわしは仙人界などで悠々と修行など
してて良いのだろうか・・・?
人々はこんなにも苦しんでおるのに・・・
上のやつらがこんなにもふんぞり返っておるのに・・・」
「師叔・・・」
姫昌のような人物が人間界を支配しておれば
こんな風になることもなかったであろうに・・・。
「・・・いかんいかん。普賢との約束を忘れる所であった。
帰るぞ白鶴。今日は御苦労だった。」
「あぁよかったー・・・」
仙人界。
「普賢!すまぬ、遅くなった。」
「あ・望ちゃん!どこまで行ってたの?心配したよ!」
普賢を待たせてしまった事は本当に悪いと思っている。
そして太公望は声を殺して言った。
「ところで天尊様はどうだ?」
同じく普賢も小さな声で
「うん。四時間半くらい前に例のゴマ団子を食べたんだけど、大丈夫だよ。
まだ眠ってる。」
すっ・・・すごい・・・
「まっ まぁでかした普賢!さぁ、行こう!!」
「うん!黄金力士はこっちだよ!」
黄金力士格納庫。
「どれだ?どれなのだ?普賢。」
「ホラ、あれ!」
「おぉこれか!・・・とうっ!」
ストンッ 二人は胸に「元始」と書いてある黄金力士の頭の部分に乗った。
「動かし方はあらかたわかっておる!ポチッとな!」
ブゥゥン! 黄金力士のエンジンが入った。
「全エネルギー出力・正常!!―――黄金力士、発進!!!」
ビュォーン・・・
黄金力士は玉虚宮を飛び去った・・・
「いやっほーう!!!」
封神計画開始まで・・・・
あと35年・・・・・・