未来視達の出会いと別れ

〜始まりの終わり〜

 

ドゴオォォォン・・・
「ムゥ・・・」
あれからさらに1000年。
最近申公豹はよくボクを乗りまわして人間界へよく降りる。
その目的は以前の好奇心じゃない。
人家が少ない荒地を選んでは雷公鞭を試してるんだ。
「イマイチですねえ・・・もう一度いきますか。」
「申公豹、もう大丈夫なの?これで10発くらいやってるけど・・・」
ボクはまだ雷公鞭をもらったばかりの頃の申公豹を覚えてる。
持ってるだけでもあんなだったのに今はもうほぼ不自由なく使いこなしている。
何かあったのかなぁ?
「心配しなくても大丈夫ですよ。それより今度は自分が当たらない様に気を付けてくださいよ。」
「え?」
なになに?何をする気なの・・・?
「いきますよ・・・スーパー宝貝、雷・公・鞭!!!」
「うわわわわ!!」
ドゴドゴドゴドゴドゴ・・・・・
雷公鞭から出た雷撃があちこちに飛んで行く。ボクの方にも飛んできた。
もう少し避けるのが遅れてたら当たっちゃうトコだったよ。
「コレがなかなかうまくできないんですよねー・・・大丈夫でしたか?黒点虎。」
「大丈夫だけど・・・それにしても雷公鞭っていつ見てもスゴイ威力だね。」
今の攻撃で辺りの山がみんな崩れてる。跡形もなく。
見通しのいいことったら!
「あれ?」
気が付くと申公豹の雷公鞭が止んでいる。今まで10秒おきくらいで連発してたのに。
当の申公豹は何やら空を見上げている。
「申公豹?」
「黒点虎、以前私があなたと話した草原がありましたね。あそこにもう一度行ってくれませんか?」
「いいけど・・・」
申公豹が何をする気かはよくわからない。でも何かの決心がついたみたいだ。
とりあえず桃源郷の草原まで戻ることにした。

「黒点虎・・・私はそろそろ老子のもとを離れようと思うのです。」
「ええっ!?」
思ってもみない爆弾発言だった。老子のもとを離れる!?
「何で急に・・・」
「急じゃありませんよ。前々からそう思っていました。雷公鞭をある程度使えるようになったら 老子のもとを離れようと。」
「それで、ここを離れたら何をする気なの?」
「適当にやりますよ。―――まずは「あれ」の徹底調査から始めます。」
「え?「あれ」?言いたい事がよくわからないよ。」
「時が近づいたらあなたにも教えてあげます。」
申公豹って結構秘密主義だなぁ・・・どうしよう。
申公豹が老子のもとを離れてもボクは一応老子の霊獣だし・・・
でも「あれ」についても知りたいし・・・
「・・・・・わかったよ!ボクも行くよ。こうなったらとことんまで申公豹に付き合ってあげるよ!」
「その返事を待っていました。行きますよ!」
えっ 行くって今から!?まだ心の準備ができてないよ!それに・・・
「老子にお別れ言わないでいいの?」
「そんなものは必要ありません。老子だって勘付くことでしょう。
それに今の老子にはそんな事よりもっと重要な事がありますしね。」
こうしてボク達は桃源郷を後にした。

ボク達が知る由もないけど、同じころ、 2000年後に封神計画が遂行される事が決まった。
元始天尊と燃燈道人、そして王奕の三人の間で・・・

 

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