〜誘い〜 十九
動かないで どうかどうか
今の貴方のその場所から
もう二度とはぐれぬよう
すれ違いと 行き違いと
その手をかすめ その髪に触れ
後ろ姿を唯目で追う
触れようと伸ばす手は空を切る
貴方は勝手でわがままで
誰よりも自由に空を翔ぶ
私はその姿がまぶしくて
けれどこの手に留めおきたくて
やっと見つけた貴方の手
必ず、ここに帰るから―――
戻的桃源郷