〜誘い〜  十六

 

 


漆黒の闇に灯る

ただひとつの炎

ああ あれは誰の灯火ぞ

それとも誰の送り火ぞ


流れ落つる涙と共に

また灯る炎が一つ

ああ あれは誰の灯火ぞ

それとも誰の送り火ぞ


炎のかけらは寄り集まり

やがて一羽の火の鳥となる

ああ あれは誰の灯火ぞ

それとも誰の送り火ぞ


火の鳥は夜空を舞い踊り

死者の帰れる盆は終わる

次の年もまたここに

舞い戻れると信じながら・・・

 

 

 

 

 

 

戻的桃源郷