| 戦の華 |
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――遅かれ早かれ、平家は滅びるだろうさ―― 兄、重盛が病に倒れこの世を去った時から、 事実、そうなった。 ――あぁ、最早この父は狂っている―― 子供の姿で蘇ってからというもの、 ――今更抗ってもこの運命は変えられないだろうし、 ならば、と、彼―知盛は含み笑いを浮かべながら、 ――せいぜい、残り少ない時間を楽しもうじゃないか・・・
――惰性で続く永遠よりも、最高の快楽を得る刹那を求めて――
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「全く・・・だから嫌だったんだ、生田神社の守備は・・・」 読んだ通り、源氏の主勢力は還内府の守る一の谷方面へ向かったらしく、 「今頃一の谷の方は、さぞかし面白くなっている事だろうよ・・・」 本当につまらなさそうに言い捨てながら、 ――俺が自らの人生と引き換えに選び取ったのは、 戦場と言う「舞台」で、俺が心の底から楽しめる、 「・・・まあ、出会うまでの時間が長ければ長いほど、 うっとりとした恍惚の表情で一の谷の方向を見やる。 ――さあ、早く来いよ、源氏の武者ども。 「知盛殿!帝、尼御前、それに還内府殿は既に沖に逃れられました! 部下の兵士が何か言っていたが知った事か。
その時だった。 まばゆい閃光の筋が、徐々にこちらに近づいてくるのが見えたのは。
「あれは・・・?」 「あれは・・・っ 三草山で見た光と同じだぁっ!」 雑兵や怨霊使い達が怖気づいて我先に逃げ出し始める。 「源氏の神子、か・・・・少しは楽しませてくれるといいがな・・・」 やっと来た源氏の主勢力、それも怨霊を使う平氏には天敵とされる 生田神社の本堂付近で守備をしていた知盛は、
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「こ・・・んの! 邪魔しないでよ!!」 ザンッ!! シュウウウウウ・・・・ 「急いでるんだから・・・っ!!――はぁっ!!」 ドシュウッ・・・・シュウウウ・・・・・
生田の森の入り口付近まで来た時、「それ」が見えた。 姿こそは可憐な少女のそれだが、 ――勇ましいものだな、源氏の神子というのは・・・ やがて生田神社へ通じる道の最後の妨げとなっていた 「・・・・お前が、源氏の神子か?」 「・・・・っ あなたは・・・・!?」 「くっ 聞いて何になる? 少なくとも、噂を聞いた限りで受けた源氏の神子の印象はそうだった。 「・・・・まあいい・・・ スラリ・・・と双刀を抜き、既に抜刀状態だった神子と間合いを取り、構える。 「今更俺一人が何をしようとこの戦での平家の負けはわかっているさ・・・ 既に怨霊との連戦に次ぐ連戦で、体力的にきつい望美と裏腹に、 「そんな・・・! 私は楽しんで戦ってるわけじゃない!!」 「どうだろうな・・・少なくとも俺には――」 途中まで言って、双刀を構えたまま望美に迫る。 「さっき怨霊を封印して回っていたお前の顔は、 あくまで挑発的に言う。 「そんな事・・・・・」 彼女の瞳が動揺に一瞬揺れる。 「そんな事、あるわけない!!」 キィン!! 強い金属音と共に、彼の双刀をはじき返した。
――ああ、その瞳(め)だ―― 誰にも満たされ得なかった筈の彼の心が、 ――その瞳こそが、その剣こそが―― 「ほう・・・やっとその気になったか・・・?」 「どうしても戦いたいというのなら、相手になるわ。 「上等だ・・・源氏の神子ならばそう来なくちゃな。」 ――この俺を、戦という美酒に酔わすに相応しい・・・!!―― 二人の間に、再び剣戟の音がこだまする。 「はぁ・・・っ はぁ・・・っ」 「どうした?息が上ってるぜ源氏の神子・・・ 「・・・っ!! 違う!!」 望美が立ち止まる度、知盛は望美を挑発してまた剣を誘う。 最後に双方の剣が交わった時に、知盛は望美に顔を近づけて言った。 「・・・・今のお前をここで殺す事は実に容易い・・・」 「・・・・っ」 「・・・・だが、お前の様な武者が源氏軍にそういるとは思えんからな・・・ フ・・・とうっすら笑うと、ガキィン!!と一際大きな金属音を鳴らして 「く・・・っ!!」 「それに、これ以上はお前の護衛が黙っていてくれそうにもないしな」 言いながら知盛はさっさと双刀を鞘に収めていた。 「勝負はお預けだ。 実に満たされた表情で彼は言い残した後、悠々とその場を去っていった。
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――久しぶりに、良い戦いだった・・・ 想像するだけで、軽く震える程の興奮を覚える。 ――源氏の神子――噂以上、だな。 これまで、ただつまらないだけだった戦場に、 ・・・・・・ただ一人の戦神子と戦う事――
――いずれ平家が滅びる時に・・・・ 「・・・まあ、それまであの神子が生きていれば、だがな・・・」 そう独りごちて、知盛は福原を後にした。
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発売後初の二次創作がいきなり知盛神子で、
しかも若干捏造です・・・(−−;
・・・セリフを覚えてないというのももちろん理由の一つですよ!!
シーンとしては、2週目以降の福原での知盛イベント前後。
これでもかというくらいに八葉にスポットが当たってませんが
スポット当てると話がややこしくなるので・・・−−;
知盛神子ですから!ええ!!
・・・しっかし話が最後のほう突飛過ぎますかねえ・・・・(今更遠い目)
あ、途中の「惰性で続く永遠〜」の辺りはもちろんあのお方の歌が元ネタです(笑)
だからピッタリなんですって!!
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