兄妹1―再会・別れ・そして訣別―
序章…懐かしの兄弟子
一方、こちらD班の状況。
一人の敵と接触したようだが若干1名様子が変なようだ。
死神である。
??? 「その前にボクとの時間を少し頂けないかな?」
残輝童子 「遅かったか…」
??? 「ほんの少しで終わるから、いいよね?」
葛 「それはつまり『ほんの少し』で俺達を始末できるという事か?」
??? 「御名答。――ってあれ?あなたはいつだったか見覚えがある…」
葛 「?俺はお前に会ったことなど……!そうか!思い出したぞ!」
残輝童子 「私もいくらかお会いした事がある…あなたは確か大元老様の一番弟
子…」
葛 「ソウヒ…だったか。」
ソウヒ 「いかにも!そしてあなたは表魔族の魔王:カズラさんに雷神の童
子:残輝童子、その奥の人は知らないけど………!」
死神 「(嗚咽混じりの声で)兄…者…」
ソウヒ 「その鎌…!蘇死鎌だね!という事は萬郎珠!?萬郎珠なんだね!?」
死神 「兄者……私は……」
ソウヒ 「良かった…まだ間に合った。君がもう誰かに殺されていたらどうし
ようかと思ったよ…。あの人達強いから。」
残輝童子 「(『間に合った』?ソウヒ様は死神様をどうなされるおつもりなのか
…?)」
ソウヒ 「萬郎珠、ボク達の所へおいでよ。みんないい人達だから怖がらない
で大丈夫さ。」
死神 「いくら兄者の言葉でもそれはできません!!」
ソウヒ 「……どうして?」
死神 「私は……弟子入りした時からずっと固く誓っていた。『私が御仕え
するのは生涯でこの人ただ一人だ』…と。私は自分の心を偽って生
きたくないし、それは大元老師匠にも何度も言われたことだ。兄者
だってそうだろう!?でも兄者は自分の信念を曲げて師匠の敵に
回った!それはなぜ!?」
ソウヒ 「……そういう所は昔からずっと変わらないんだね…。ボクも君のそ
んなところが大好きさ…。でもね、萬郎珠…」
ザワッ…
ソウヒから猛烈なオーラが放たれ始める。
ソウヒ 「はっきり言うよ…ボクはこれまで500年以上生きてきて…自
分の心に嘘をついた事は一度もないよ。断言してやるさ。ボク
は自分の信念に基づいて妃に仕えている。そしてわかったんだ…
――消ゆべきは妃にあらず…汝ら妃に仇成す者共なり!!」
葛 「いけない!下がれ!斬紅狼!!」
残輝童子 「ここは私が防ぎます!電蛾轟鉾壁(でんがごうぼうへき)!」
斬紅狼 「く……っ」
斬紅狼、間一髪その場を離脱。
ソウヒ 「そんな貧弱な攻撃バリアでボクの攻撃が防げるものか…!行くよ!鎌
輪鎖(れんりんさ)・『蓮華』!!」
葛 「(く!間に合うか!)残輝!伏せろ!魔双術・賽楼壁(さいろうへき)!」
ソウヒ 「防いでばかりじゃだめさ!釘(テイ)!!」
葛&残輝 「!!」
二人の周りに釘の様な物が突き刺さると釘に囲まれた所から動けなくなった。
葛 「対内型結界か…!!死神!!」
ソウヒ 「萬郎珠…キミと戦う前に一つだけ聞こう。――今、キミの仲間は皆動
けなくなった。ボクの意志一つであそこにいる皆の命を奪う事だって
出きる……ねぇ萬郎珠…それでもキミはボクと戦う道を選ぶかい?」
死神 「兄者…私は確かに辛い。兄者と戦わねばならない事が。とても辛い…。
だから私は兄者と戦いたくない!でも……!」
死神からオーラが放たれ始める。
死神 「今は私が戦わねば大切な仲間を見殺しにしてしまう事になる!だから
私は…兄者と戦う!」
ソウヒ 「そうかい…それもまたキミらしい答えだね。…わかった。キミの望む
ようにしよう―――――行くぞ!!」
『場』の空気が変わり、二人のオーラがぶつかり合う。
残輝 「葛様!辺りの空気が怒りに満ちてます!」
葛 「どちらもかつてはあの斎雲丞大元老の直弟子だ。戦いは熾烈を極める
だろう。残輝、いつでもここから離脱できるよう準備しておけ。」
残輝 「わかりました。」
葛 「死神……必ず生きて帰って来いよ……面倒見切れんからな…」
場面は二人の戦闘場へ。
にらみ合いを始めてそれなりの時間が経った。
ソウヒ 「へぇ〜…頑張るね萬郎珠。キミもこれだけのオーラを放てるようにな
ったんだ………。キミも成長したんだなぁ…。」
死神 「負ける訳にはいかない……負ける…訳に…は…」
ガクッ 疲労の為ひざをつく
ソウヒ 「あれ?もしかして…キミ無理してたの?無理して…これ?ハハハッ!
キミらしいや!背伸びしてでもボクと同等に渡り合おうとしてたの
?仲間の為に?バカみたいだな!……それじゃボクは倒せないよ…」
死神 「まだまだ……終わらないぞ…!―――哀れな死者の念呪よ、その憎悪
をここで解き放て……死呪乱覇(しじゅらんぱ)!!」
ソウヒ 「そう来たね!―――キミのチカラはボクのチカラ。その念はボクの源。
我は汝の王と契約を結ぶ。汝は我の下に集う。汝らに鎮魂あれ………
――――誘魂術:魂・斬(ソウル・キル)!!」
あ・・・・に・・・じゃ・・・・